脱皮
最近の娘は相変わらず剣道頑張っています。
足の皮が破れたり、左手にマメが出来たのを嬉しそうに見せてくる様なんて正に剣士です。剣士の称号を与えてあげましょう。
最近の道場での稽古は主に基本打ちです。これは今まで通りなんですが、最後に自分を追い込む練習をします。要は打ち込みなんですが40秒ぐらいでしょうか?ひたすら打って行く。みんなK先生が怖いので手を抜かない。真剣にする。だって全部バレますから。まして元立ちがK先生です。考えただけでも怖い怖い!
スポーツをしてきた人なら分かると思うんですが「一皮むける瞬間」って確実にありますよね。芸術・文化・スポーツなんでもそうなんですが、およそ一流と言われる人が口をそろえて言っていること
「ありのままの自分をさらけ出した時」
確かスポーツの世界でもたくさんの人が言っていますし、私自身も周りの人に聞いてもそうでした。
要は覚醒に近いんでしょうか?
今娘は一皮むけそうです。具体的にどういう状態かというと・・・
打ち込みの際に今までなら疲れてきた時に声が小さくなる。振りが弱くなる。打突がズレだす。足がふらふらでした。
K先生が元立ちでずっと檄を飛ばしてくれる。しんどい時こそ声を出せ!もっと!もっと!と煽ってくれる。そのせいか娘も喰らいついていくんですよね。
声を絞り出すというか「絶叫」に近い感じ。恥じらいもなく大声が出せる。今までの娘にはなかったことです。不思議としっかり声が出れば打突も強くなり、体も動く、竹刀も振れるんですよね!
素晴らしい打ち込みが出来るんですよ。その日は私はスポ少の指導に行っており、道場へは嫁さんと娘で行っていました。帰るなり嫁さんが「今日の娘ちゃんかっこよかった」と動画を見せてくれました。
今までの恥じらいや甘え、おごりなどすべてがフッ切れた全力の打ち込み。剣道初心者の心を揺さぶる打ち込みでした。
結局一皮むけるには、この声が出るかどうかなんですよね。
みんなの前で大きな声を出すのは恥ずかしい・・・しんどそうにしたら打ち込みが終わってくれる・・・2年生の女の子だから・・・
こういうことが全く意味を成さないことが分ったんですよね。
しんどくても疲れてもその先を目指す。以前書いた限界突破に近いですね。その先に「上達」があるんです。
私自身も振り返ってみるに4年生になったばかりの頃に体当たりの練習で先生に面体当たりをして吹っ飛ばされる。起き上がって再度面体当たり→吹っ飛ばされるのエンドレスを体験したことがあります。この時に今までは心が折れたふりをすると練習が終わっていましたがその時は違ったんですよね。一向に終わらない。初の地獄です。
泣きながら向かって行ったのを覚えています。「声出さな終わらないぞ!」と言われ嗚咽しながらがむしゃらに打って行きました。当時この先生が大っ嫌いでした。
でも今になって考えてみるに私が試合で勝ち出したのは4年生です。3年生までは勝った記憶もないし、賞状やメダルなども見当たりません。
一皮むけるには自分を追い込まないといけませんね。剣道で一皮むける基準は「声」かもしれません。吹っ切れるために、今まで聞いたことのない「絶叫」に近い声が出たら脱皮が始まっているのかも・・・がんばれかわいい剣士ちゃん。
さぁ、剣道楽しみましょう。