練る
最近私が考えた練習メニューに先輩がアドバイスをくれた。もっとこうしたほうがいいんじゃないか?小学生に高度なんじゃないか?後ろ残心より前残心のほうがいいんじゃないか?など有難いことです。
私も何でこうやるのか。なんで高度なことをさせてるのか。なんで後ろ残心なのか。を事細かく先輩に伝えました。
先輩が「そこまで考えてるならそれをやった方がいい。水差してごめんな!ちょっと気になっただけ、でもそれならもっとこうしたほうがいいと思うぞ。」
この一連の流れは「やった!先輩を論破したぞ」「文句つけるなよ」「どうだ、俺のメニューは!」という事では全くなく本当にありがたい事なんですよ。
1つ例を挙げると、面払い面を裏から払って前で打つ技を教えているんですが、先輩は後ろ残心がいいんじゃないか?間合いも近くなるし、払い方もしっかり払わないと相手の剣先が外れないということなんですが、その通りなんですよ!先輩の言う通りなんです。こちらもやっぱりそうだな!と再認識できますし新たな発見もあります。
それでもこれを教える理由が私の中にはあって、それを理解してほしかったんです。それを理解したうえでさらにアドバイスをくれる。そうすると私も「あぁ、確かにな。それも必要やな。じゃあメニューに取り入れてみよう」とだんだん進化していくんです。
そうすることが「練る」ということです。良く練られた稽古メニューを子供たちに提供したいですよね。今回の先輩の意見は本当にありがたいです。普通なら私の意見を伝えたら「・・・あぁ、じゃあそれでいいんじゃない?」と突き放されがちですが、その先輩はさらに深く考えてくれてアドバイスもくれるし私の意図を理解してくれた上で意見を言ってくれる。本当に感謝ですよね。人間として出来ていますね!
私はこういうことを繰り返しながら稽古メニューが確立していくものだと思います。今までのスポ少にはこれが全くなかった。なんだか単調な稽古。非効率でお門違いな内容。コロコロ変わるメニューに悲壮感が立ち込めていました。
さて、面払い面の続きになりますが、私の意見としては「前で応じる癖付け」とこの技は動体視力が上がると小手に対しても応用が利きます。こうなると試合などで仕掛けるときに相手の小手と面どっちにも対応できて、打たれるリスクが低い技だと思います。相手の戦力分析をするために打って行くことも出来ます。また二段打ちのリズムも身体で覚えて欲しいのです。逆に後ろ残心も良いんですが、わが県の試合審判の風潮として後ろ残心の技は旗が上がりにくい印象があります。これはわたしの勝手な主観です。また重心を後ろに移動することはあまり低学年の頃は覚えて欲しくないという個人的な意見です。後はわが県の低学年の全体的な印象として技後に身体が止まる傾向にあります。面が届かなかったら二の太刀を狙わない。小手も同様です。この瞬間があれば前に打って行けるとふんだのです。
これらを全て伝えると先輩も自分の考えを私に伝え、じゃあそのやり方でもっとこういう打ちをしたら打ちやすいよ。というのを教えてくれました。また技前の攻め方についてもアドバイスをくれました。
その結果が
面払い面を前残心するなら(前でとらえるなら)払って打つが二挙動にならない様に払う時に足を出す、何なら足を上げて払いに行く。というやり方がいいんじゃないか?というアドバイス。また攻めの時に前傾姿勢になると払う動作が困難になるので背中真っすぐ力を抜いて攻めた方が竹刀操作が効きやすいと教えてくれました。
確かにその通りです!その方がスムーズに前に打って行けます。早速子供たちに伝えやってもらっています。
稽古メニューを考える上で私は自分の経験則や見たイメージや情報から作っていきますが実際にそれがピッタリはまるかは分かりません。どうせ技の稽古をするなら使える技を教えたいですので。私なりに考えて組み立てます。その際にみんなと協力して作成することはありません。組みあがったメニューに意見する人も今までいませんでした。さらに今まで全く試合がなかったのでこれが通用するか否かが不明でした。
とにかく自分に不安感があると子供たちも感じるので、自信を持って教えていましたが、どこかでこの練習本当か?使えるのか?という思いはありました。
でも今回、先輩が意見してくれたことで改善も出来ましたし、なんだか味方が出来たようでうれしかったんですよね。
やはり稽古メニューはしっかり練ったものを提供したいですよね。無駄なく効率よく教えていきたいです。
「これをしたら試合で勝てる」というメニューは存在しませんがどうせやるなら勝てる可能性のあることをさせてあげたいです。後輩のM君(元機動隊)の意見をぜひ聞いてみたいです。
さぁ、剣道楽しみましょう。