剣道の成長
昨日も近くのスポ少4団体が集まっての合同稽古がありました。
そこで感じたこと・・・
あるスポ少Fに小学3年生の男の子3人がいます。この子たちは剣道に対する環境が全く違い三者三様です。
まずA君
お父さんが剣道経験者で運動神経は普通。おとなしい子ですが話はしっかり聞くタイプです。
次にB君
お父さんはサッカー経験者。運動神経が抜群に良い。活発で話を聞くよりは身体を動かしたいタイプ。
最後にC君
両親ともスポーツ経験なし。お父さんは稽古に来れない。お母さんが剣道担当のような感じ。運動神経は普通。活発で話は聞こうとするが集中力がない。
さぁ面白いですよ。この3人。
3人とも1年生から剣道を始めて3年がたった今、如実に差が出来始めました。
彼らが1・2年生の時試合稽古ではB君が圧倒的に勝っていました。そこから面を打つかー!この体勢から技を出すかー!とチャンバラ剣道ではありましたがしっかり2本勝ちするんですよね。A君はかなかなか打たず、指導者に怒られて泣いていました。考えながら剣道をしていましたが思い通りにいっていなかったようです。C君はB君には負けると決めつけ、引き分けたら喜んでいました。A君にも負けないように引き分けを目的とした剣道でした。
そんな彼らが剣道3年目で「剣道」が少し見えてきて、少し体が出来てきて、少し脳の神経も発達し始めた時、伸び方に差が出来ます。
もちろん伸びたのはA君。少し伸びたのがB君。ほとんど伸びてないのがC君。
A君は「話を聞く」「お父さんが剣道経験者」というのが大きなポイントです。
B君は運動神経が良いだけに基礎をおろそかにし、目先の勝ちを優先した。
C君は「話を聞かない」「目標の基準が低い」がポイントです。
要は基本です。練習で基本をしていると伸びしろが出来ていくんですよね。このことに子どもって気づかない。そら勝つ方がいいですよ。だから基本をせずに運動神経を生かして「もっと早く」を追求してしまします。この結果がチャンバラ剣道を生むんですよね。
もう3.4年生は「間合い」で剣道をします。ここが出来るかできないかで壁が出来ます。A君は考えて剣道をしたため他の子より早く気付くことが出来る。そしてお父さんに聞ける、教えてもらえる。B君はとにかく早く打つことに必死でまだまだ「間合い」が分かっていない。C君はとにかく負けないようにするため待ち剣です。自分から攻めることが出来ないので間合い以前の問題です。
「間合い」が分かると駆け引きや間合いに見合った打突、防御など課題がたくさん出てきます。だからこそ早い段階で「間合い」に気づくことが大切なのです。
昨日の試合稽古でも数か月前まで圧勝していたB君はもうA君に勝てません。A君が3人の中で一番強くなっていました。
A君だけ他の2人と違うステージにいる感じです。
大事なんですよ「基本」「考えて剣道する」「環境」
大事なことなんですが意外と難しい。
素振りや足さばきより実践的なかっこいい面返し胴がしたい。と思うのは子どもからしたら当たり前の考えです。
考えることよりとにかく打って打って1本取りたい!そらそうですよね。
ここで重要になってくるのは大人です。(両親)です。洗脳してやってください。
「足さばきや基本打ちが出来ないと強くはならない」
基本の練習って目に見える成長がなかなか得られない。でも大丈夫です。身体に蓄積されています。その子の身体が成長し、脳と体が一致しかけてくるころ、この蓄積されたものが成長へと繋げてくれます。しかもたくさんの伸びしろを残したままの状態で・・
さぁ、剣道楽しみましょう。