見る目
昨日は月一回の合同稽古の日。近くの4団体が集まり稽古を行いました。
通常通り稽古をして最後に試合稽古をして終わりました。稽古の終わりに各団の先生方に子供たちが正座をし挨拶に行き、そこで「ありがたいお言葉」をもらいます。これは昔から剣道をしていたら当たり前の光景ですね。
そこでいつも子供1人1人にものすごく的確にアドバイスをする先生がいらっしゃいます。大体の先生はみんなに向けてのアドバイス(大きな声を出そう)(しっかり打とう)など基本的なことを言うのですが、この先生は20人なら20人に的確にその子の剣道についてのアドバイスをします。毎回不思議だったので、昨日はその先生の横に座り何を話しているのか・・・本当に的確なことなのか・・・当てずっぽじゃないのか・・・?(失礼ですね)聞き耳を立てていました。
そんなにみんなの全試合を見ているわけではないのですが「●●君はこうで○○君はもっとこうしたほうがいい。〇〇さんは以前より良くなっているね。多分足さばきの練習をしたんだね。◎◎君は左足の引き付けが良くなった。」など、すべて御名答なんですよ。私の娘にもアドバイスをしてくれました。
先生「打てる体勢から打った面と打ちにくい体勢から打った面どっちが打ちやすかった?」
娘「打てる体勢です」
先生「じゃあ常に打てる体勢が出来ていたら自分の面がいつでも、しっかり打てるね。どんどん走り回って遊んで下さい。剣道もそうですが、いっぱい遊んでください。」
素晴らしいですね。ほんとによく見てます。娘は「はい。」と返事しましたが???でした。遊ぶ?って感じでした。
この先生が言いたかったのは「しっかり走り回ってまず足腰を鍛えましょう。すると下半身が強化され打てる足ができるようになりますよ」ということです。
たまにいるんですよね。1回その子の試合を見るだけでその子の剣風を読み取り、癖と得意技を見抜き、的確な稽古方法を導き出す人。そういう人って有名道場の先生や元警察機動隊とかではなく普通の一般剣道家に多いように思います。
そんな素晴らしい先生なのにその先生が指導している団は「チャンバラ剣道」
不思議ですよね。「早く治してあげてよ・・」と心の声が駄々洩れです。
私はその先生をスカウトしようかと真剣に考えるほどです。
「見る目がある」
この能力は大事で指導者なら絶対必要だと考えます。もしかしたらこの能力だけが必要なんじゃないかとも思います。正しいものを判別しその子に何が足りないのかを判断し瞬時にまずその子が何をしないといけないか導き出す。
意外と「見る目」に長けている指導者って少ないんですよ。
練習の帰りにその先生の団の保護者に少し話を聞きました。
そしたらどうも仕事が忙しく稽古にはなかなか来れないから稽古の指揮はしていない。毎回練習に来るおじいちゃん先生に指揮を任せている。今でもどこかの道場で週1回稽古をしている。とのことでした。
この先生が稽古の指揮を執ったらうちのスポ少はやられるな・・・と感じました。またこの先生は優しいんですよ。怒らない。ニコニコして子供とじゃれ合っている。生徒も先生なのに「ねぇ~ねぇ~」と話しかけます。
私が小学生の頃では考えられない話です。先生といえば「怖い」「鬼」のイメージです。でもこのイメージって大事で今思えば「怖い鬼」がいたからやってこれたし、集中できたのです。怒られるのが嫌だから必死にやる。試合に勝っても内容で怒られる。じゃあもっともっとと上を目指せたと思います。
もしこの先生が「怖い鬼」先生になり稽古を指揮してくれるなら口説こうと思ってます。
子供がビビり上がるぐらい怖い先生になることを願っています。
さぁ、剣道楽しみましょう。