現実と理想
私が中学生のころ、当時最強だった高校のレギュラーのH先輩がいました。私は中学生で初めて高校剣道を見たのがH先輩の試合でそれはそれは衝撃受けました。
今になって考えると当時H先輩はベスト8ぐらいの実力だったそうです。それでもファーストインプレッションで魅せられてマイベストになっていました。
すごかったのは差し面より早い小手面です。物理的にあり得ますか?それが入るんですよね。かっこよかったです。当時私は「H小手面」と名付けて先輩たちと練習してました。そしてもう一つはあえて遠くに間合いを切ってから堂々と歩いて一足一刀の間までいき、面です。もう漫画の世界でした。真っすぐ構えて普通に歩いて進んでいくんですよね。そこからのズドォーンの面。観客から「オオォー」と歓声が沸く。これを打たれたら完敗です。まぁなんせカッコよかった!
H先輩の高校は当時最強で近寄りがたかったんですが私の1個上の先輩が同じ小学校中学校で剣道していた後輩にあたるのでその先輩の後ろについて近寄っていました。
そんなH先輩が同じ市のスポ少に指導者としていると最近気づきこれはさっそく挨拶に行こうと思いました。こちらが挨拶すると「あ、どうも始めまして。〇〇剣道のHです。」
私に気づいていなかったようです。あんな尊敬する先輩に敬語であいさつされると困ります。思わず「いや、敬語やめてください。H先輩。」となり。
私の正体を明かし「あ~お前かぁ」となりました。当時は話すことも出来なかった雲の上の存在でしたので今普通に話しているのも変な感じでした。
話を聞くと深い濃い話になるとはこの時まだ知る由もなかったのです。・・・
H先輩はご結婚されており相手は高校時代の同級生しかも女子剣道部主将です。当時男女ともに強かったので奥様も相当の実力者です。
そして息子が3人いて4年生と4歳と1歳。4年生は剣道しているとのことでした。
これは剣道サラブレット!もう期待も高まります。さっそく息子さんを拝見!
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H先輩とは子供の剣道の大会や練成会などでしょっちゅう会いますのでいろいろ話をします。H先輩が「どう?うちの息子?全然やろ」といってきたので一応「いや!いや!そんなことないでよ」といいますよね。
本音は普通レベルでした。厳密にいうと40点ぐらいです。すみませんH先輩。
でもH先輩が「いや、今悩みなんよね。」というので話を聞いていくと。
・H先輩の所属のスポ少の指導者との確執
・指導方法で意見が分かれる(指導部長)
・実際H先輩が指導するも息子に伝わらなかった
・指導の仕方に悩む
・息子が剣道嫌いになる
・仕事が多忙で息子の剣道を見れない
深い闇の中にいました。サラブレットは100%強いではないんですね。剣道強い人は指導も上手いではなかったんですね。揉め事は子どもに影響するんですよね。環境って大事なんですね。指導者や保護者そして子どもだけでは強くならない。
指導力と保護者の覚悟と周りの環境と指導方法の統一などたくさんの要素の集合体が必要でその集合体の体積が大きければ強くなるんですよね。
いや、子供のやる気だ!というかもしれませんが、この集合体が作れた時点で子どもも察します。自然とやる気「剣道を頑張るんだ!」という覚悟が出来ます。
今は4年生の息子さんには「剣道を好きになってもらう」ようにシフトしたそうです。確かにその方がいいと思ったので「もしゆーてくれたら僕出稽古行きますんで」と伝えました。
難しいですね。一つ歯車が狂えば取り返しのつかない事態になるんですね。あくまで子供優先です。スポーツ「少年」団ですから!親や指導者のいざこざは持ち込まない!剣道を好きになってもらう。そして大事なこと「良き指導者に出会う」
私の娘ちゃんにも今のK先生に出会ったことに「感謝」することを分かってもらいたいですね。
さぁ、剣道楽しみましょう。