思い切った通達
スポ少の練習の際に高学年の子に「自分の出来ないことを知ってください」と問いかけました。何が出来てないと思いますか?と聞くと????な表情です。
ひとまず切り返しをしてもらいました。今の切り返しが出来ているか出来ていないか答えれますか?と問いました。???といった感じ。
試合の時の面を打ってもらいました。今の面打ちが出来てるか出来ていないか答えてください。と問うと「・・・・・?」で答えれません。
じゃあ大きく振りかぶっての面打ちをしてもらいました。同様に問いかけました。???でした。
次に素振りと足さばきをしてもらい、同様の質問、すると5年生の子が「多分出来てる」もう一人の5年生の子も、首を傾げながら「できて・・る」と答えたので私は「その素振りと足さばきは出来ていないよ」と教えました。
じゃあ最後に「構え」の姿勢をしてみてといい、3人が構えました。ここで私が「出来てると思う人」と問うとみんな首を傾げます。
まずここで分かったことはみんな正しい形を知らない。ということです。なので自分が合ってるかどうかがわからない。できていないのも分からないまま毎回練習している。これ大問題ですよね。
高学年の子3人に正直に伝えました。「すべて出来てないよ」
少々酷でしたが、まずは「出来ていないことを知ってもらいたかったのです」
そしてH君にそれまでの流れを一通りしてもらいました。・・・でもちろん出来るわけです。
ここで詳細をみんなに話しました。
高学年3人は剣道歴が3年以上もあって、一人は7年間剣道をしています。H君は2年と半年です。君たち3人は最近試合で勝ちましたか?H君はどうですか?勝ってますよ。
ちなみにみんながやった切り返しや面打ちや素振り足さばき、構えって基礎基本の部分です。君たちとH君の違いは基礎基本をすっ飛ばして稽古をしているか、そうでないかです。極端に言えば基礎基本をすっ飛ばさずにちゃんとすれば勝てますよ。ということです。たかだか2年と半年で入賞出来ますよ。
この基本が出来ていないとすべての打ちが無駄になります。何度稽古をしても間違ったのばかり身に付きます。なのでまずは自分は出来ていないということを知りましょう。そして正しくできるようにしましょう。そうすれば進歩です。上達です。
大分高学年には酷でしたが、話をしました。
わが団の試合に勝てない理由は明確です。「基本が出来ていない」
右手打ちで当てるだけ、残心はない、走って打つ。攻めがない。これではいくら手数が多くても旗は上がりません。イメージとしては試合で双方の掛かり稽古をしているような感じです。なのでよく言われるのが「チャンバラ」です。
はやくこの状況を変えたいのですが・・・
高学年の子ならもう自分で考えられますし、少しは刺さるかなと思い今回話しました。
正直に言うと多分もう遅いんですよね。いまの癖は多分取れない。でも知っておくことは重要です。この先気づいてくれるはずです。
「あの先生の言ってたことはこういうことだったのかぁ」
間違った形で何年も練習すると間違ったものが身に付き、身体から離れません。正しい形を教えたところでその時は出来ても、継続しては出来ません。悪い癖ほど染みついて取れません。悪い癖のほとんどは「楽」だからです。楽だから継ぎ足をする。楽に打てるから右手で打つ。楽だから走りながら打ちに行く。
我がスポ少の5年生の男の子は小学3年生から何も変わっていません。ただスピードと力が付いただけで技術などは何も進歩・上達していません。
せっかく剣道を何年もしているのに勿体ないと思うんですよねぇ~。
今回は高学年の子に正直に話しました。どう変わってくれるか?行動に起こしてくれるか?たぶん嫌な思いをしたと思いますが、ここでどう感じたかが重要です。
さぁ、剣道楽しみましょう。