回想

今回は剣道の技術の事ではなく精神的な部分を回想していこうと・・・。

年長から剣道をはじめ1年生までは何のこっちゃ分かってなく始めた剣道。ただ私と一緒の恰好をして棒を振りに行く。それだけで十分だった。わが団は人数も少なく1年生で試合に出ることもありイヤイヤ期に突入。ここが最初の難関で剣道を辞めることも真剣に考えた。フッ飛ばされて泣くこともあり、瞬殺の時も多々あった。毎回泣きながら戻ってくる娘に厳しい言葉をかけるフリをして、車中ではしっかりと褒めた。それでも剣道を続けてくれた娘。そんな中、分岐点が出現する。

1年生の終わりに3年生の別の団の女の子に魅了され憧れを抱く。そして運よくその子の袴を頂く。ここが娘にとっての最大の分岐点だ。それ以降毎回その袴を履いた。K道場にも正式に道場入りし、休むことなく週5回の稽古をずっとこなしている。

そして思いもしなかったコロナと言う見えない敵に遭遇する。こいつのせいでモチベーションが低下し剣道が出来ない状況に陥る。それでも何とかこの袴で乗り越えてきた。

見事に市のチャンピオンになる。県代表選考で一人の男の子に2日連続2本負けをした。娘人生初の屈辱。その帰りの車の後部座席で瞬きをせず一点を見つめ静かに泣いていた。2つ目の分岐点がここだ。この涙がより娘を強くした。その後、勝利をおさめ最終的に見事県代表となり今に至り、全国へ向けて猛稽古の最中である。

たかだか5年間の記録だがしっかりとターニングポイントはある。そしてそれをもたらしたのは私でない。第三者である。当時3年生の女の子と同級生の男の子である。

強くなるにはひたすら練習もいいが、こういう外的要素も必要になってくると思う。

気持ちである。気持ちを奮い立たせるアイテム。

たくさんの人とのふれあいから「気持ち」は育まれる。

親以外の人間から与えてもらうものは偉大だ。モノでも言葉でも姿勢でも・・・・。

こういうところも強くなるのは必要な気がする。

この先の剣縁というものを大事にしていこうと思う。まさに剣知交愛である。

今、H弟を奮い立たすほどのターニングポイントはない。前回の出稽古で負けたが泣くまでではなかった・・・。彼を奮い立たすアイテムが欲しい。

憧れの人？ライバル？娘の優勝カップ？何かH弟がこれ！という確固たるものが欲しい。それがあるから頑張れるのである。

来年はH弟を優勝さす！もちろん娘も2連覇！目標ではなく絶対条件である。今回の実績がまぐれでないことを証明したい！2年連続全国へ連れて行けたら文句を言う人はいない。自分の保身のためではなく、2人のためにしっかり指導をしていきたい。

娘はこの先いくつの分岐点があり、どんな人と出会い、どんな剣道になっていくのだろうか？もしかしたら誰かに憧れを抱かれる人になっているかも？

とても楽しみである。

最近は県代表メンバーで出稽古に行った。お揃いの垂ネームやジャージなど娘を奮い立たせる「アイテム」が手に入った。試合内容も申し分ない。もちろんまだまだだが、伸びシロしかない状態である。たくさん吸収出来ている。たくさんの人に支えられている。今は技術も気持ちも成長しているのが目に見えて分かる状態である。それはきっと私が「この時期にここまで出来てたらいいな～」の目安を飛び越えているからだと思う。娘只今元気に成長中！

この状態を維持できる環境を継続さす！しっかりとモチベーションを維持し今に満足せず先へ先へ、さらに上へ上へ目指しましょう。

正直私は・・・。

順調な「いま」に少し戸惑いがあります。こんなに順調でいいんだろうか？うまくいきすぎてないか？そしてそれは「大きな落とし穴がある予感」へと勝手に不安を抱く次第です。私が出来る事を再度確認し、引き続き全力でサポートしていきます。

さぁ、剣道楽しみましょう。