アメリカザリガニ
最近の特訓稽古で毎回T君(娘のライバル)が参戦してくれています。T君もT母ちゃんも特訓稽古を楽しみにしているとのことです。とてもありがたいです。
ここでは技術云々よりは「気持ち」の部分を重点的にやっています。
目標は何処なのか?そのために何をしないといけないか?ライバルと比べて足りないものは?などを明確に伝えて、考えて取り組む。基本打ちを練習しにくるのではなく、実戦で打つ練習をしています。目的を伝え、課題を伝え、じゃあどうする?と問いかけが大事です。そうすることで子ども達の意識を高めてあげることが最重要となります。
そうすれば稽古に集中してくれますし、身に付きやすいです。結果、成長するんですよね。「やる気」これがないと話にならない。偽モノや偽り、その場しのぎの「やる気」はいりません。もう私も分かるようになってきたんですよね。
「こいつ、本気やな」「こいつはまだ覚悟が決まってないな」
うちの4人(H、H弟、娘、B)とT君はガチです。ガチで強くなりたいと思ってくれています。その想いに応えないと失礼ですよね。だから必死になって教えているだけです。
そんなある日の特訓稽古にM君と言うかわいらしい男の子が来ていました。全く身に覚えがなく、誰?って感じでした。とりあえず「こんにちわ」とあいさつをするとお母さんらしき人が「T君のお母さんに聞いてきました。今日はよろしくお願いします」とのこと。
後で聞くとT君母ちゃんが口コミで紹介してくれたとの事。
もちろんここに来るだけのことはあって一目で「この子は覚悟が決まっている」と分かりました。なんとその子は小学3年生です。
まだまだ素振りや足さばきは十分ではありませんでしたが、なんせ真面目に本気でやってくれるんです。まぁ、緊張していたのもありますが全力で稽古してくれる。
こちらも力が入りますよね。
休憩時間にお母さんが「急に稽古にお邪魔してすみません。初めまして、○○剣道のMです」と自己紹介してくれました。
私も「どうも、初めまして。ここは自由と楽しくがモットーでのんびりくつろいでください」と伝えたあと・・・○○剣道も・・・M・・・○○剣道のMって・・・。
まさかなぁ・・・。と一抹の不安がよぎりましたが、そんなはずないと。
念のためM君お母さんに「○○剣道といえば機動隊に所属していて国体に4年連続で出たり、警察大会でも県はもちろん四国でもチャンピオンになったり、3年連続全日本大会に出場している、我が県のプレイヤーで1番と言われてるM君っていますよね。」
と聞くと
・・・「旦那です」
おい!
おい!おい!おい!おい!
ちょっと待ってくれよ!!
え、素直な感想
「そっちで教えろや!!!!!!!!!!!!!なんでここやねん!!!」
久しぶりに他人様の前で取り乱しました。横にいたH父ちゃんもアメリカザリガニのように後退していました。
M君母ちゃん(剣道経験者)と話し込むと・・・・納得の理由でした。
みんな我が子には強くなって欲しいし、剣道を頑張って欲しい。そして何より剣道を好きになって欲しい。どこの親でも一緒ですね。
そこの団のやり方がありますが、どうしても合わない事や不満も出てきて当然です。そのままやり過ごすか、ちょっと行動に出てみるか。大胆に変えてみるか。
やり方はありますが、色々な事情でなかなか行動に移せないんです。
話を聞いてMさんもウチやT君家族と想いは一緒なんです。いわゆる同士です。
教える理由はありますよね。
ただM君父ちゃんはわが県のトッププレイヤーです。
恐れ多いですよね。っていうか父ちゃんに教えてもらえ!と心の中では叫んでいます。
でも、ここに来てくれたので出来る範囲でみんなと同じ熱量で教えます。
なんだか思いもよらぬ出会いがありますよね。これだからやっていて楽しい!まさか県トップの選手のご子息を指導するなんて・・・。まぁ、今回の一回だけかもしれませんしね。でも来てくれた以上はこっちも全力で指導させてもらいました。また、来てくれるといいな・・・。
なんだかコソコソ始めた特訓稽古がいつの間にか団の垣根を越えて大きくなってきていることにビビってしまいますが、私はそれが悪い事とは思わないので、続けていこうと思います。いずれ、フラッと立ち寄れる稽古場所になればそれだけでいいのかなと思います。
久しぶりに特訓稽古で取り乱しました。
さぁ、剣道楽しみましょう。